クイックノート

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30人の子供の内1人が一時保護される

連日の虐待事件の報道による世間的な関心の高まりを受けて、
タダでさえ強力な一時保護をさらに強力なものにしようと、
政府が法案を練っているようです。

さて、一時保護といえば、
虐待の証拠が不要とされた極めた特殊な措置なので、
実質、子供であれば誰でも保護することができてしまいます。

clean-copy-of-onenote.hatenablog.com

当然、このような強力な権力の乱用は避けられるべきですが、
果たして、そうなっているでしょうか。

実際、一時保護件数は年々増加しており、
むしろ、権力を乱用して、
安易に一時保護を行うようになって来ているように感じられます。

火のないところに煙は立たないと言いますが、
この異様な一時保護の件数の伸びを見ても、
そう言えるのでしょうか。

ここでは、公開されている統計情報から、
一時保護がどれほど身近に起こり得るものとなってきたかを、
見ることにしましょう。

統計情報

今回取得した統計情報をまとめておきます。

一時保護の件数

一時保護の件数は、下記の厚生労働省が公開している資料から確認できます。

児童相談所(全国209カ所)における弁護士の活用状況   https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11901000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Soumuka/sankou_1.pdf

資料中では平成23年度から平成27年度にかけて、
各年度毎の全国の一時保護の件数が示されています。

グラフを見れば明らかなように、
一時保護の件数は年々増加していることが分かります。

子供の人口

一時保護の件数は増加していますが、
そもそもの子供の人口は少子化により減少しています。

人によっては、この時点で違和感を持つでしょう。
母数となる子供の数が減っているのに、
一時保護が増え続けるのは奇妙ではないかと。

日本の人口のデータについては政府が統計情報として公開しています。
下は、平成27年の人口データです。

www.e-stat.go.jp

年齢毎に人口データが提供されているので、
これを元に、
一時保護の対象となる0〜17歳の人口を計算することができます。

一年である子供が一時保護される確率

まずは、自分が子供だったとして、
自分が一年のうちに一時保護される確率を計算してみましょう。

これは、単純に一時保護された件数を、
一時保護の対象となる0〜17歳の人口で割れば求まります。

平成27年については、
 \frac{36950}{19569000} = 約0.19 % の確率で一時保護されることが分かります。

0.19%というのは大きいのか小さいのかピンときませんね。

下の記事では、1年で交通事故に遭う確率が0.528%と言われています。

hoken-minaoshi.online

つまり、交通事故に遭う確率の3分の1よりはちょっと多い確率で、
一時保護されることになります。

子供が一生のうちに一時保護される確率

上で求めたのは、1年のうちに一時保護される確率でした。

次に気になるのは、一生のうちに一回でも一時保護を経験することが、
どのくらいの確率で起きるかということですね。

これは、0歳から17歳までの18年間に一度も一時保護されないという事象の
余事象の確率ですから、次のように求めることができます。

 1- \left\{ 1 - \frac{36950}{19569000}\right\}^{18} = 約3.3%

ある子供が一生のうちに一時保護される確率は約3.3%となります。

100人の子供がいれば、そのうちの3人くらいは、
一時保護される計算になりますね。

30人クラスであれば1人は一時保護されるということですから、
かなり身近に感じられるのではないでしょうか。

まとめ

政府が公開している統計情報から、
子供が一時保護される確率を計算しました。

その結果、30人クラスに1人程度は、
一生のうちに一時保護されるくらいに、
一時保護が増えてきていることが分かりました。

計算では27年度をベースに計算したので、
ここから一時保護が減っていくのであれば、
30人に1人とはならないでしょうが、
最新の傾向をみていても、
子供の数は減るのに一時保護は増えるという傾向は続いています。

このまま、一時保護の加速が続けば、
30人に1人が一時保護されるなどという程度では済まない事態になるでしょう。

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