YouTubeを流しっぱなしにしたまま寝落ちしてしまい、朝起きると見始めた動画とはまったく違うものが流れていた──そんな経験はないでしょうか。
私の場合、一時期は韓国語の動画が流れていることがよくありました。知人にも同じような経験をした人がいて、ネット上でも「寝落ちすると韓国ニュースになる」という話を見かけます。
一方で、最近はJazzの長時間メドレーで止まっていることが増えました。
そこで今回は、この噂が本当なのかを調べるために、YouTubeの自動再生をたどり、「寝落ちしたら最終的にどんな動画へ流れ着くのか」を検証してみました。
結論
今回の調査で分かったことは次の3点です。
- 58.5%の経路で、開始時と終了時のジャンルが変化した
- 日本の視聴環境でも、最終タイトルが韓国語になる経路は17.0%あった
- 最終到達先は生活系・音楽・スポーツ・BGMなどの長尺動画が多かった
「寝落ちすると必ず韓国ニュースになる」という結果ではありませんでしたが、韓国語の動画へ流れ着くこと自体は決して珍しくないことが分かりました。
YouTubeの自動再生はどこまで続く?
YouTubeの自動再生には時間制限があります。
一般的には、
- Wi-Fi接続では約4時間
- モバイル回線では約30分
で自動再生が停止するとされています。
今回は寝落ちを想定し、Wi-Fi環境で約4時間分の自動再生を対象にしました。
調査方法
ログインしていない状態でYouTubeを開き、探索候補から開始動画をランダムに選びました。
そこからは自動再生で表示される次の動画を順番にたどり、累積再生時間が約4時間になるまで経路を記録しています。
実際に4時間放置したのではなく、再生リストを順に追跡することで、自動再生がどこへ向かうかを調査しました。
動画タイトルはLLMを用いて以下のジャンルに分類しています。
- 音楽
- VTuber
- ゲーム
- アニメ
- コメディ
- ニュース
- スポーツ
- 教育
- テック
- 生活
- 映画
- 雑談
- BGM
- ライブ
- その他
寝落ちしている間にジャンルは変わるのか
まず調べたのは、最初に見始めたジャンルと最後に到達したジャンルが同じなのかという点です。
結果は、58.5%の経路でジャンルが変化していました。
つまり半数以上のケースでは、自動再生を続けるうちにおすすめの方向性が変わり、別ジャンルへ移っていました。

最終到達ジャンルでは、次のようなカテゴリが多く見られました。
- Lifestyle:531本(18.2%)
- Music:484本(16.6%)
- Sports:445本(15.3%)
- BGM:287本(9.9%)
- Education:136本(4.7%)
生活系や音楽、スポーツ、BGMのようなジャンルが、自動再生の終点として現れやすいようです。
最後に残る動画は長くなる
開始動画と最終動画の長さも比較しました。
約4時間まで到達した経路では、
- 開始動画の中央値:11分24秒
- 最終動画の中央値:2時間6分
となりました。
また、77.4%の経路で最終動画のほうが開始動画より長くなっていました。

これは長尺動画ほど4時間の上限に達するまで再生され続けるため、最後の動画として残りやすいからだと考えられます。
どのジャンルへ流れていくのか
開始ジャンルと最終ジャンルの関係を見ると、どのジャンルから始めても似た方向へ流れる傾向がありました。
一方で、開始ジャンルごとの特徴も残っており、すべてが同じ終点へ収束するわけではありませんでした。

この図は各開始ジャンルを100%とした条件付き確率で表示しています。
特に多かった遷移は次のとおりです。
- Sports → Sports:11.3%
- Lifestyle → Lifestyle:9.2%
- Other → Music:4.4%
- Other → Lifestyle:4.2%
- Lifestyle → Other:3.4%

本当に韓国語の動画へ流れ着くのか
今回もっとも気になっていたのが、この点です。
最終動画のタイトル言語を集計すると、
- 英語:46.9%
- 日本語:27.2%
- 韓国語:14.8%
という結果になりました。

さらに、日本の視聴環境を対象にすると、最終タイトルにハングルが含まれる経路は17.0%ありました。
もちろん、「寝落ちすると必ず韓国ニュースになる」というほどではありません。
しかし、日本語の動画から見始めても、一定の割合で韓国語タイトルへ到達することは確認できました。
考察
今回の調査では、自動再生によって視聴ジャンルが変化することは珍しくなく、半数以上の経路で開始時とは異なるジャンルへ移っていました。
また、自動再生の終点には長尺動画が残りやすく、生活系や音楽、スポーツ、BGMといった長時間視聴向けのコンテンツが多く見られました。
そして話題になりやすい韓国語の動画についても、一定割合で終点として現れています。
もちろん、今回の調査だけでYouTubeの推薦アルゴリズム全体を説明できるわけではありません。ログイン状態や視聴履歴、地域設定などによって結果は変わる可能性があります。
それでも、「寝落ちすると韓国語の動画になることがある」という体験談は、少なくとも今回の条件では単なる思い込みとは言い切れない結果になりました。
まとめ
「YouTubeで寝落ちすると韓国ニュースになる」という噂を検証したところ、韓国語タイトルの動画へ流れ着くケースは確かに確認できました。
ただし、最終到達先としてもっとも多かったのは生活系や音楽、スポーツ、BGMなどの長尺コンテンツです。
つまり、自動再生は特定のジャンルへ一直線に向かうというよりも、長時間再生されやすい動画へ少しずつ流れていき、その過程で韓国語の動画にも一定割合で到達する──というのが今回の調査から見えてきた姿でした。
「寝落ちすると韓国ニュースになる」という噂は、少なくとも今回のデータを見る限り、完全な都市伝説とも言い切れないようです。