クイックノート

ちょっとした発見・アイデアから知識の発掘を

様々な経済学者の考えが一度に分かる本

最近のマイブームは、
kindle unlimited で普段読まないような分野の本を、
読み上げ機能を使って通勤途中のBGMにすることです。

こうすると、そこそこの数の本をこなす事ができて、
素敵な本に出会うことも多くあります。

今回も、素敵な本に出会ったので、
その紹介をしたいと思います。

紹介するのは、「経済学の名著50冊が1冊でざっと学べる」
という本です。

タイトルの通り、50冊の経済学の本の内容を、
分かりやすく噛み砕いて紹介してくれる本です。

もちろん、中身を端折って説明してくれているので、
この1冊を読んで50冊分の知識がつくかと言うとそうは行きませんが、
様々な経済学者の考え方を俯瞰的に見る事ができます。

以下では、この本を読んでて感じた点について、
整理しておきます。

学生時代に経済を選択しなかった人も読める

経済学というと、
高校生で選択科目として「政治・経済」がありますよね。

これを選択していない人は経済学なんて縁がないと思ってないでしょうか。

私も、高校では「政治・経済」を選択していなかったのですが、
社会科の授業で「マルクス」や「ケインズ」など、
何人かの経済学者の名前や、その人が書いた本の名前くらいは、
学んだ記憶があります。

ただし、何をした人か、どういう学説を説いた人かという重要な部分を、
ほぼ全く知らずに、名前だけ知っているというモヤモヤ感がありました。

この本では、それぞれの有名な経済学者が、
自身の著書で何をどう考え、どういうことを主張したかが、
分かりやすくまとめられています。

おかげで、経済学の基礎知識がほぼ内容な私でも、
内容がスラスラ入ってきて、
それまで、名前だけ知ってた人物が、
名前だけの人から、確かな偉人へと変わりました。

この意味では、むしろ、「政治・経済」を選択せず、
経済学に触れてこなかった人こそ、
読むべき本
なのかもしれません。

経済学者の主張のポイントが簡潔にまとめられている

この本の最大の特徴は、
それぞれの経済学者が自身の本で述べている鍵となるポイントを、
簡潔にまとめられていることです。

経済学者は当然、学者ですから、
物事を多面的に考えて、
アレコレ様々な考えを著書に記しているはずです。

もしかすると、
普通にそれぞれの本を読んでいたのでは、
その本の主張がうまく掴めないことも多いかもしれません。

ところが、この本の著者は、
それぞれの経済学者の輪郭を上手く捉えて、
その経済学者が最も重視しているであろう主張を、
端的にまとめて、言語化してくれています。

おかげで、
この経済学者は根っこでは、
こういうことを考えてる人なんだと、
頭の中が整理しやすくなります。

筆者の思い入れが分量に反映されている

この本では、50冊それぞれに章を割いて、
それぞれの経済学者の本の紹介をしているのですが、
章ごと、つまり、経済学者ごとにその分量が大きく異なります。

このあからさまな分量の違いから、
その経済学者や経済学者の考え方に対する
筆者の思い入れの強さが伺えます。

例えば、限定的合理性を唱えたサイモンや、
行動経済学におけるナッジを唱えたセイラーについては、
他の経済学者と比べて、
驚くほどアッサリと記述されています。

これらは現代経済学にジャンルされる分野になり、
高校で学ぶマルクスケインズのような、
経済学よりもより新しい分野となります。

この本の著者は、予備校の講師をされているようなので、
普段、高校で扱われてないこれらの分野について、
思い入れが薄くても仕方ないことなのでしょう。

逆に、思い入れの強い経済学者については、
分量を大きく割いて、ノリノリで解説されている様子が見えます。

読んでいて、筆者の気の入れ方がダイレクトに伝わってくる本です。

まとめ

著者が予備校の講師ということから、
高校で経済学を選択しなかった、
あるいは、もう一度復習したいという人には、
うってつけかもしれません。

これまで、名前だけの偉人さんが、
本当の意味で、偉人さんになる感覚が魅力的です。

kindle Unlimitedの読み放題を利用している方なら、
無料で読む事ができるので、
興味を持たれた方は、是非、読んでみてください。

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