ツイッターをきっかけに爆発的に炎上したティラミスヒーローズの問題ですが、
その火の勢いは、極めて強く、
問題の社長が経営している別会社の「gram」、
そして、そのフランチャイズ加盟店まで飛び火しているようです。
問題となったティラミスヒーローズに加えて、「gram」もネットでリアクションがありましたが、
gramのフランチャイズ加盟店側でもツイッター上でリアクションが起こりました。
タイトルの通りですが、罪のない加盟店側に怒りを向けないでほしいということでしが。
たしかに、ただの加盟店が関与している可能性はほぼゼロなので、
店舗名を掲げているだけで飛び火してくるのはかわいそうですよね。
とはいえ、一般人からすると同じ「gram」なので、
そこがフランチャイズの難しいところでもあります。
このような事態になった場合、
フランチャイズ加盟店に矛先が向くのは避けられないのでしょうか?
また、加盟店が取るべきアクションはどういうものなのでしょうか?
一連の流れ
まずは、事件の流れをざっくりとまとめておきましょう。
- 本家ティラミスヒーローがブランドロゴをコピーされ使用できなくなったことを告白
- パクリを行ったティラミスヒーローズ及びその社長が特定される
- 同社長が経営する「gram」も特定される
そして、gram のフランチャイズ加盟店も含めて、
炎上に巻き込まれることになりました。
gramではホームページにて
弊社としては、この度のHERO’S様の件と、gram事業は別の問題と考えております。
という文を掲載しています。
確かに、別事業であるのは間違いありませんが、
批判は「ティラミスヒーローズ」という会社だけに向いているのではなく、
当然、その社長にも向いているので、
同社長が経営している「gram」が全くの別問題というのは無理があるように思います。
怒りという人の感情は「人→会社」以上に、「人→人」に向くのです。
加盟店に矛先が向くのは避けられない?
問題の社長が経営している会社のフランチャイズ加盟店にも怒りが向かうのは、
確かに、加盟店側が主張しているように矛先が違うようにも思えますね。
とはいえ、同じgramの看板を掲げているので、
一般客から見ればどちらも同じ「gram」でしょとなるのはある意味当然でもあります。
フランチャイズ店は、看板を借りる代わりに、
その看板が汚れた時に、不利益を被るリスクも分かったうえで契約しているはずです。
特に、顧客の身近な場所に置かれることの多いフランチャイズ加盟店は、
顧客と本店の間に挟まれるような構図になることは避けられないので、
どうしても、加盟店に矛先が向きやすいのは、
フランチャイズの制度上しかたがないこととも考えられます。
また、それは逆に、本店も、看板が汚れれば、
加盟店に迷惑がかかることを分かっているはずなので、
看板を汚さないようにする責任があることを意味しています。
加盟店にできることは?
では、矛先を向けられた加盟店はどうすべきなのでしょうか。
今回の場合だと、「矛先は違うよ」と訴えるという手段に出ていましたが、
顧客ーフランチャイズ店ー本店という位置関係を考えると、
構造的に、矛先を変えるのは容易ではないでしょう。
仮にフランチャイズ店は悪くないと言って、
矛先の向いたフランチャイズ店を助けるつもりで商品を購入しても、
本店に利益が流れることになります。
つまり、市場で本店が制裁されるには、
フランチャイズ店を巻き込んだ形になるより他ないのです。
これは、フランチャイズという制度のずるいところとも言えますね。
では、加盟店はどうすれば良いのでしょうか。
上でも述べましたが、フランチャイズ元は加盟店に対して責任を持っているはずです。
そのため、本店のせいで損失が出たのであれば、
本店に対して損害賠償を請求するという方法があり得ます。
類似の凡例
幸いにも、そのような判例があります。
裁判所の判断の中には、
被告は、原告に対し、その使用を許諾した商標、 サービス・マーク等のブランド価値を自ら損なうことがないようにすべき 信義則上の義務を負うものというべきである
というものがあります。 ※被告はフランチャイズ元、原告はフランチャイズ加盟店です。
さらに
被告は、原告に対し、上記義務違反により生じた損害を賠償すべきである
と続きます。
要するに、本店が自身でブランド価値を落とすようなことをした場合、
それによって生じたフランチャイズ加盟店での損害を賠償する必要があるということです。
まとめ
フランチャイズで看板を借りることにはメリットとデメリットがあります。
加盟店は十分にそのメリットデメリットを分かったうえで契約すべきですね。