スマホの普及に伴って、
小さな画面でもストレスなく見れるWebページ作りが求められています。
多くの企業・組織のホームページがスマホ対応に変わりつつありますが、
ホームページを刷新する機会がなく、
スマホ対応に遅れているページもあります。
今回は、大学のホームページに焦点を絞って、
どの程度の大学がスマホ対応のホームページに変わっているのか、
私立や国立と言った括りでスマホ対応率に違いが見られるのかを調査します。
調査方法
調査対象
過去の「https対応の調査」を行った時と同様に、
文科省の大学のウェブサイトリンクから
アクセス可能な全大学を調査対象とします。
https対応の調査は下の記事です。
clean-copy-of-onenote.hatenablog.com
モバイルフレンドリーテスト
Googleが提供するモバイルフレンドリーテストを利用して、
各大学HPがモバイルフレンドリーであるか否かを判定します。
このテストでは、
- タップ可能な要素同士の間隔が十分か
- 文字が小さすぎないか
- コンテンツの見切れが生じないか
などの点から総合的な判定が行われます。
ツール自体がWebサイトにアクセスしレンダリングを行うため、
読み込みに時間がかかり過ぎて
モバイルフレンドリーでないと診断されることもあります。
そのため、一度モバイルフレンドリーでないと診断されても、
同じサイトで再度判定を行うと、
たまたま読み込みがスムーズに行われて、
モバイルフレンドリーであると診断されるようなこともあります。
このように診断にブレがありますが、
今回は、一発勝負でモバイルフレンドリーか否かを判定することとします。
結果
大学全体のモバイルフレンドリー対応
最初に興味があるのは、
どのくらいの大学がモバイルフレンドリーに対応しているかと言うことです。
調査した結果を集計したのが下のグラフです。
青色がモバイルフレンドリー、
黄色がモバイルフレンドリーでないサイトの割合を示しています。
計測に失敗したものも2割程度あり、
計測時間が1分を超えてタイムアウトしたものが「timeout」、
リンク切れでサイトに到達できなかったものが「undefined」です。
グラフから多くのサイトがモバイルフレンドリーであることが分かります。
やはり、スマホ世代の受験生に興味を持ってもらうためには、
スマホ対応はほぼマストであると言え、
ほとんどの大学では積極的にスマホ対応を進めているようです。
一方で、スマホ非対応の大学もそれなりに存在しており、
大学によって差はあるようです。
とは言え、モバイルフレンドリーでないと
判定された大学のサイトでも、
実際にアクセスしてみるとレスポンシブに設計されていたりするので、
あくまでGoogleが提供するモバイルフレンドリーテストで
判定した結果であることに注意が必要です。
国・公・私での違い
次に気になるのは、
国立・公立・私立大学でグルーピングした時に、
モバイルフレンドリー対応に差は出るのかと言うことです。
下のグラフは、グループ別のモバイルフレンドリー対応大学の割合です。
ただし、測定できなかったものについては除きました。
国立大学がもっともモバイルフレンドリーに対応している大学の割合が高く、
続いて公立大学、最後に私立大学と並ぶことが分かります。
過去に調査した「https対応」については、
私立大学がもっとも対応している割合が高かったのですが、
違った傾向が見られるのが興味深いですね。
https対応とスマホ対応の相関
https対応とスマホ対応はどちらも
Webの技術的な対応です。
そのため、直感的にはhttps対応が進んでいればスマホ対応も進むし、
スマホ対応が進んでいればhttps対応が進むように、
相関がありそうです。
一方で、上のグラフで見たように、
https対応で進んでいた私立大学がスマホ対応では遅れていました。
実際、https対応とスマホ対応に相関はあるのでしょうか。
下のグラフは、https対応・非対応と、
モバイルフレンドリー対応・非対応をクロス集計したものです。
左側がhttps非対応のサイト、右側がhttps対応のサイトを表わし、
青色がスマホ対応、赤色がスマホ非対応の割合を表ています。
明らかにhttps対応のサイトの方が、
モバイルフレンドリーなサイトである割合が高くなっており、
https対応とモバイルフレンドリー対応には相関があることが分かります。
そうすると、全体的な傾向に反して
私立大学がhttps対応は進んでいるのに、
スマホ対応は遅れていることが尚更不思議で興味を引かれますね。
まとめ
大学ホームページのモバイルフレンドリー対応について調査しました。
ホームページのメインターゲットがスマホ世代ということもあり、
多くの大学がモバイルフレンドリー対応を進めていることが分かります。
また、https対応では進んでいた私立大学が、
モバイルフレンドリー対応では
国公立大学に少し遅れているのは興味深い発見でした。