Google chrome で https 以外でサイトに接続する際に、
警告が表示されるようになってからしばらく経ちますが、
世の中のサイトは、ちゃんと対応できているのでしょうか。
パスワードや個人情報などを入力する際には、
https は必須ですが、それ以外だと、そこまで困らないかなということで、
http のまま放置されていてもおかしくはないですよね。
教育研究機関である大学は、
是非このあたりもちゃんと対応しておいてほしいものですが、
実際にはどうなんでしょうか。
ということで、全国の大学のホームページを調べて、
https に対応している大学、対応していない大学を調べてみることにします。
そもそも https とは
https とは、web サイトにアクセスする際に、
セキュアな通信を保証してくれるものです。
逆に、https でなければ、
基本的に通信の中身は世界中に駄々洩れになっていて、
誰がどのサイトにアクセスしていて、
どんな入力を行ったかなどの情報が垂れ流されていると思った方がいいです。
サイトが http 対応しているかどうかは、
ブラウザのアドレスバーを見れば一目両全で、
例えば、このブログにアクセスすると、
↓のようにhttpsから始まるアドレスが表示されます。
また、正しく設定されていれば、
閉じられた南京錠マークが表示されます。
調査方法
全国の大学のホームページがhttpsに対応しているかどうかを調べるため、
それぞれのホームページにアクセスして、
ちゃんとhttpsの通信ができていることを確認します。
大学のホームページの一覧は、
↓の文科省のサイトから取得しました。
http://www.mext.go.jp/b_menu/link/1294885.htm
文科省からのリンクでは、httpでのリンクであっても、
内部でhttpsに移行していれば、そちらにリダイレクトされます。
今回は、リダイレクトを含めて、httpsにアクセスできれば、
その大学はhttps対応と判定することとします。
結果
全大学の http v.s. https
国公立、私立大学のうちアクセスできた全783の大学について、
https 対応できている割合が下のグラフになります。
意外にも、https 対応されている大学は、
半分に満たず41.1%でした。
過半数の大学が、未だにhttps対応できていないということですね。
https に対応するためには、Webサーバーの操作が必要になるので、
昔に構築したWebサイト用のサーバーの設定を、
あまりいじりたくないのかもしれません。
国立・公立・私立別の https 対応
全体的に https 対応が遅れているのは分かりましたが、
その詳しい内訳はどうなっているのでしょうか。
まずは、国立・公立・私立で差があるのかを見てみましょう。
下のグラフは、それぞれの場合での https に対応している割合です。
グラフから、公立大学のhttps対応が一番遅れていて、
一方で私立の対応が早いことが分かります。
何となく予想通りという感じですが、
Webサイトにお金をかける余裕のある大学ほど、
https への対応が進んでいそうですね。
旧帝国大学の https 対応
ここからは、より細かく、
有名どころの大学のホームページを調べてみます。
まずは、旧帝国大学の7つの大学についてです。
| 大学名 | https 対応 |
|---|---|
| 北海道大学 | 〇 |
| 東北大学 | △ |
| 東京大学 | 〇 |
| 名古屋大学 | × |
| 京都大学 | × |
| 大阪大学 | 〇 |
| 九州大学 | × |
https 対応しているのは、7大学のうち3大学のみで、
やはり、対応が遅れていそうに見えます。
有名な大学だからといって、
必ずしもIT面に気が配られているというわけではなさそうです。
※東北大学に関しては、
httpからのアクセスをリダイレクトするようになっていなかったので、
今回の調査方法上は対応していないということになりますが、
https 版は用意されてはいるので、△としました。
まとめ
全国の大学のホームページが https に対応しているかどうかを調査しました。
結果としては、約6割の大学は、https に対応できておらず、
技術のトレンドに遅れている様子がうかがえました。
また、私立・国立・公立の順に https 対応が進んでいて、
予算上の余裕も対応の進み方に関わっていそうです。
