12/6 の午後、長時間にわたって、
ソフトバンクの通信網で障害が発生し、
ソフトバンクのスマホ・携帯が使えない事態となりました。
(ソフトバンクの通信網を借りて利用している
Y! mobile も同様の影響を受けました)
その根本的な原因は、まだ調査中という段階のようですが、
いくつか断片的に原因が報告されつつあるので、
ここで、原因をまとめておきましょう。
障害が起きたのはコアネットワーク
障害の原因として発表されているのは、
コアネットワーク内の交換機の不具合というものです。
ところで、コアネットワークってなんでしょうか?
おそらく、一般の人にはよく分からないものだと思います。
私たちがスマホを使ってインターネットにアクセスする際には、
まず、基地局と呼ばれるアンテナと電波による通信を行います。
基地局は携帯会社が設置しているもので、
その携帯会社の中で閉じたネットワークに繋がっています。
つまり、ソフトバンクならソフトバンクの、
docomoならdocomoのモバイル用ネットワークに最初に繋がります。
この携帯会社のネットワークのことをコアネットワークと呼んでいます。
コアネットワークは他の基地局と繋がり、
基地局ー基地局間の中継を行ったり、
あるいは、外部のネットワーク、
つまり、インターネットに繋がっています。
具体的にはコアネットワークの入り口
公表されている情報によると、
障害が発生したのは、
エリクソン社製の SGSN-MME という機器です。
この SGSN-MME というのは、機種の型番ではなく、
ちゃんと意味のある名前で、
ネットワーク内で行う役割を表しています。
このSGSN-MMEは、コアネットワークの入り口に位置して、
スマホの移動管理等を行います。
スマホで通信しながら移動すると、
ある基地局がカバーするエリアから、
別の基地局のエリアへと移ることがありますが、
この時、通信を途切れることなく、
スマホの移動に応じて通信をコントロールするのが移動管理です。
このSGSN-MMEで障害が起こり、
そこで通信がストップしてしまうとなると、
まさに、ネットワークの入り口で弾かれたような状態になってしまいます。
原因は証明書の期限切れ
それでは、このSGSN-MMEでどんな障害が起きたのでしょうか。
この機器を製造しているエリクソンが公表している情報によると、
バージョンの証明書の期限切れが障害を引き起こしたものとされています。
いまや、テレビなどの身近な機器を含め、
ほぼすべての機器の上では、ソフトウェアが動作することで、
その役割を果たしています。
ソフトウェアとして処理を実現することで、
ものとしての機器はそのままで、
ソフトウェアの更新によって、
機器に変更を加えることができるので、
メンテナンスが容易となります。
今回の障害は、このソフトウェアのバージョン情報についての
証明書が期限切れとなっていたことが主な原因とされています。
証明書の詳細は公表されていませんが、
証明書とは、データ(この場合はソフトウェア)が、
不正に書き換えられたりしていないことを担保する仕組みです。
証明書には、公開鍵暗号の仕組みが使われていて、
同じ鍵を長い期間使いまわすと、暗号が破られやすくなるため、
定期的な更新が必要となります。
今回は、この更新が行われずに、期限が切れてしまったということですね。
clean-copy-of-onenote.hatenablog.com
期限が切れてしまうと、
そのソフトウェアを信用して使うことができないので、
通常はエラーとなり、処理が止まると考えられます。
このため、コアネットワークの入り口で通信の処理が止まってしまい、
通信が遮断されてしまったのですね。
まとめ
まだまだ原因の調査は進められているところですが、
現時点で分かっている状況についてまとめました。
出てくる情報はどれも一般の人には分かりにくい情報ばかりなので、
少しだけ噛み砕きました。