クイックノート

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IoTが私たちに何をもたらしてくれるかが身近に感じられる本

ゴールデンウィークの時間を使って、
kindle Unlimitedの本を巡っていると、
また、良本に巡り会いました。

タイトルにあるIoTとはInternet of Thingのことで、
日本語ではモノのインターネットとも呼ばれていて、
ニュースや、一作品前のコナンの映画でも取り上げられるなど、
近年、注目を集めている技術です。

この本は、特に「生活用IoT」に焦点を当てていて、
私たちの家の中にIoTの技術が入り込んだ姿を見せてくれます。

家という最も身近な場所での最新技術の応用は、
未来の姿を間近に感じることができ、
ワクワクすること間違いないでしょう。

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読書メモ

キーワードは「ひとまとまりの価値」

「ひとまとまりの価値」とは

IoTとは、モノがインターネットに接続されることで、
モノと人、モノとモノ同士の通信が可能となり、
それによって、様々なサービスがもたらされるというものです。

インターネットの接続性に関するキーワードでは、
これまでも、「ユビキタス」や「アンビエント」と言ったキーワードで、
繋がるのが普通の状態を目指してきていました。

では、IoTは、これらのネットワークと何が違うのでしょう。
本書で注目されているのは「ひとまとまりの価値」です。

IoTでは、モノとモノが繋がり、単体では提供できなかった価値を、
複数のモノが一体となって提供することができます。

機器の連携による省エネ

例えば、扇風機とエアコンを考えてみましょう。
どちらも夏になれば、人を涼ませて、
快適な環境を提供するものです。

一方で、それぞれ電気を消費して、
人を涼ませるので、なるべき省エネで快適な手段を選択したいものです。
すると、気温がそこまで高くないときは扇風機で我慢しようとか、
我慢できなくなったらエアコンにしようと考えますよね。

でも、これを人間がその時その時に自分で操作するのは面倒なので、
おそらく、本当はこうした方がいいという潜在的なニーズがあったとしても、
それが実行されることはないでしょう。

IoTで部屋内の温度センサー・人感センサーや、
扇風機、エアコンが連携し始めると、
機器自身が自動的に省エネかつ快適になるように、
機器のオンオフを行うことでしょう。

そこには、室温によるエアコンと扇風機の切り替えだけではなく、
室温にムラがある場合に、エアコンと扇風機を同時に起動させて、
部屋全体を冷やすなどの連携も出てくるでしょう。

場を制御するという考え方

「ひとまとまりの価値」を提供する上で、
本書が重視しているのは、「場」を制御するという考え方でしょう。

機器のオーケストレーション

機器が連携するためには、
機器がバラバラにまとまりなく動作していては話になりません。

これは、楽器の演奏にも似ていて、
それぞれの楽器をバラバラに演奏することもできますが、
その演奏を揃えることで初めてオーケストラが完成するのです。

実際、ITの用語として、
複数のシステムを統合的に制御することは、
オーケストレーション」と呼ばれます。

指揮者が指揮をとり、バラバラだった機器の動作を、
適切に組み上げて、「ひとまとまりの価値」を生み出すのです。

コンテキストという楽譜

指揮者には楽譜があり、
どのタイミングで何を演奏すべきかが分かります。
では、IoTでは何がこの楽譜に相当するのでしょうか。

IoTでのコンテキストが楽譜になります。
コンテキストとは、その場その場の状況を表すものです。
「家に人がいる」「留守中」「家に人がいて室温が高い」
などがコンテキストになります。

この場の状況に合わせて、適切な機器に稼働の支持をするのが、
IoTにおける指揮者というわけです。
本書ではこの指揮者のことを「ローカルインテグレーター」と読んでいます。

つまり、IoTでは、
ローカルインテグレーターがコンテキストを元に、
その場に適切な機器動作を組み合わせて、
「ひとまとまりの価値」を提供します。

まとめ

生活空間という最も身近な場所で、
最新の技術であるIoTの応用のイメージを見せてくれる本でした。

最新技術は往々にして、縁遠いイメージを持ってしまいがちですが、
本書では、コンビニや家でのIoT応用など、
実生活に近い応用が多く紹介されていて、
未来への期待を抱かされます。

技術的な話は難しいからあまりという人でも、
まずは実例の紹介からでも見てみることをオススメします。

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