総和を計算する和の公式は高校数学で学びますが、
ちょっと変わった和の計算をしてみましょう。
等比数列 に近いのですが、
累乗の部分が二つの変数の差の絶対値で表されていて、
丁度、次の表の全部を足し合わせるような計算を考えます。
n \ m | 1 | 2 | 3 |
---|---|---|---|
1 | |||
2 | |||
3 |
問題
上の計算をきちんと式で表すと次のような総和の計算になります。
は総和の範囲をしていしていて、上の表の場合は、
になります。
解法のアイデア
そのままの式だと、計算が難しそうなので、
知っている形に変形できないかを考えます。
この計算では絶対値が厄介ですが、
絶対値は必ずなにかしらの整数の値をとります。
その時、とただの累乗になるので、
の値によって分けると良さそうな気がします。
実際、
となるのは、の通り、
となるのは、またはの通り
同様に、となるのは、通りになります。
ただし、は場合の数が少し特殊であることに注意しましょう。
つまり、最初の表の中身をの値毎にリストアップすると
値 | 個数 |
---|---|
... | ... |
となり、これを全部足し合わせればよいことが分かります。
そのため、求める総和の式は次のように変形できます。
これで、式の中から絶対値が消えたので、
計算を進めることができそうです。
知ってる総和の形に
後は、計算を進めていくだけですが、
その時のポイントは、
「知ってる総和の形に変形して、 総和の公式を利用する」です。
だけは他と少し違うので、
その部分だけ分けて、について総和をまとめると
となります。
このように、等比数列の和 と、
等差×等比数列の和 を
計算すればよいということが分かりました。
計算
後は、次の総和の結果を利用すれば、計算完了です。
上を使って、式を整理すると、
となります。