クイックノート

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大学生の間に読んだ100冊の本

大学生の間は比較的時間があります。
授業をフルでとっても、
高校生の授業時間と変わらないくらいですから、
受験もない分、自由な時間も多いでしょう。

この時間をどう使うかは、
学生の個性が表れる部分ですが、
特に、何もすることが浮かばないのであれば、
本を読んではいかがでしょうか。

小説や、自己啓発本などを読むのもいいですが、
せっかく、大学生なので学べる本がいいですよね。

自分の学部や学科とは違った分野の本を読んでみる、
あるいは、専門分野の本だけど、
授業ではやらないようなものを読んでみると、
新たな発見があり、あっという間に時間が過ぎていきます。

この記事では、私が大学生の間に読んだ100冊(+α)の本を紹介します。

数学

数学は読むというより式を追いかけるというイメージでしょうか。
数学書を読むときに大事だと思っているのは、
書かれている式がどのようなものを指しているのかをイメージすることです。

そこに書かれているのは、単なる記号の羅列ではなく、
何かを意味していて、その意味を明確にするために、
色々な性質を証明したりしているんだという感覚を持つことが大切です。

そう考えると、数学書には実際には書かれていない行間が非常に沢山あり、
いわゆる行間を読むとは数学にこそ重要だと実感することでしょう。

読み物

いわゆる教科書形式ではないものをこの記事では読み物としてジャンル分けします。

数学ガール

こちらは、数学が好きな高校生たちの物語を描いたものです。
小説のような文体でありつつも、しっかり数式が出てきたりと、
教科書と読み物の中間のような存在でもあります。

いきなり教科書を読むのはハードルが高いという人には、
気楽に読めるこちらを読んでみると、
数学の楽しさに気づくきっかけになるかもしれません。

離散数学パズルの冒険

こちらは身近な話を題材にして、
日常に隠れた数学の話を沢山盛り込んだ一冊です。
読み終えた後は、数学の存在を身近に感じることになるでしょう。

統計学が最強の学問である

数学が何に役立つか?とはよく耳にする言葉ですが、
役に立つというゴールが見えやすいのは統計学でしょう。
そんな統計学の応用事例を複数の分野に渡って紹介している一冊です。

集合論

集合論とは、現代数学の基盤となる分野です。
それは、数学で何かを議論するときに、
始めにその何かを集合として定義するところからスタートするからです。

どういう集合が別の集合とどういう関係にあるのか、
これが、数学的対象の性質を明らかにしていくことになります。
その土台を扱うのが集合論です。

集合と位相

集合論の教科書では位相もまとめて扱われることが多いです。
この位相というのは、集合の中で、どれとどれが近いかという関係を導入するものです。
ただし、距離のように数値化されるほどの近さではないので、
抽象的な概念になるので、初めは戸惑うかもしれません。
数学をイメージするための良いトレーニングになるはずです。

解析学

解析学は主に関数を扱う分野です。
関数は二つの異なる変数に関係を与えます。
入力と出力を持つような対象を扱うことができ、
応用の範囲が広い分野でもあります。

数学シリーズ 微分積分学

解析学の基本となるのは微分積分です。
関数の性質を調べるためには微分積分は非常に役立ちます。
その微分積分をきちんと定義するのが微分積分学です。

集合論的に極限を厳密に扱う、イプシロンデルタ論法など、
大学生数学の最初のハードルが表れるのも、
この微分積分学です。

ベクトル解析

電流など、何かの流れを表すものは基本的にベクトルで表現されます。
ベクトルで表される関数を考えると、
座標事に異なるベクトルが表れるベクトル場が表れます。
方位磁石をあちこちに並べたようなものですね。

これを扱うのがベクトル解析で、
電流など、様々な物理現象の解析の基礎にもなります。

複素関数入門

実数の関数から、複素数の関数に、
扱う対象を移したのが複素解析です。

複素解析では、留数定理によって、
実数関数の積分と綺麗な関係を持つことがあります。
この関係を使って実数積分が簡単になる場合があるという実用性もあります。

微分方程式

微分方程式とは、関数の微分を含んだ関係式が与えられた時に、
その関数の形を求めるものです。
ニュートン運動方程式など、物理学では様々な微分方程式が表れます。

微分の形から元の関数を求めるというと、積分を思い出しますが、
まさしく方程式のように、求める関数が複数ある時、
単純に積分というわけにはいかなくなります。

そんな、少し複雑な「積分」をどうすればいいかを考えるのが、
微分方程式です。

下の本は、コンパクトにまとめられていて、
取り掛かりやすい一冊です。

常微分方程式

こちらは、より内容の濃い微分方程式の教科書です。
上の教科書では少し物足りないという人にはおすすめの一冊です。

フーリエ解析

音波など、波形の分析において強力なのが、
フーリエ解析です。

波は複数のシンプルな波の合成と見立てて再構成することができます。
一見、複雑な波でも、要素となるシンプルな波に分けてみると、
扱いやすくなることがあります。

フーリエ解析を学ぶ上で重要なことは、
それ自体の有用性ももちろんですが、
何か扱いたい対象があった時に、それに逆変換可能な変換を行うことで、
別の土台で扱う、つまり、視点を変えて扱うという考え方を身に着けることです。

応用解析学の基礎

物理、あるいは工学上で応用されることの多い解析学の知見を集約した一冊です。
複素解析フーリエ解析微分方程式など一通りカバーされているので、
応用に興味のある人にはおすすめの一冊です。

はじめてのルベーグ積分

高校生までに学ぶ積分はリーマン積分とよばれます。
そこでは、グラフを縦に切って、長方形の列を作って、
極限を取るという積分を学んだはずです。

積分には、別の考え方もあります。
ルベーグ積分では、グラフを横に切ります。
つまり、横から見た時に同じ高さにある点の数を数えて、
点の数×縦軸の値で積分計算を行うのです。

この点の数え方には測度という概念が導入されて、
これは、位相をベースにして、位相に大きさを定義したものです。
下の本では、測度についても易しく書かれているので、
入門としてはおすすめの一冊です。

代数学

代数学は、数字をxやyに置き換えて、
方程式の公式を導出するなど、
数字をより一般的に扱おうとする学問です。

そこでは、単に身近な方程式を解くだけではなく、
足し算だけの世界や、掛け算だけの世界など、
様々な世界での計算が扱われ、
非常に奥深い学問となっています。

線形代数

線形代数はもともと連立一次方程式を扱うものです。
連立一次方程式は、変数と定数のベクトル、係数の行列によって表現されます。

そうなると、このベクトルや行列の性質に興味が移りますよね。
なので、線形代数ではこのベクトルや行列の性質を学ぶことになります。

行列やベクトルは複数の数字のまとまりですが、
それ自体もある種の数字として計算できるところに、
代数学の面白さがありますよね。

数理・情報系のための代数系の基礎

小学校で足し算、引き算、掛け算、割り算を学び、 中学校では、無理数を学び、
高校では、虚数を学びました。

この流れは記号の世界で同じように辿ることができます。
つまり、記号の世界で足し算、引き算、掛け算、割り算を拡張していき、
その世界に、新しい数字を付け加えるというものです。

この流れを体系的に学べるのが線形の形容詞がつかない代数学です。

統計学

データサイエンティストやビッグデータなど、
比較的最近、データを扱うことが注目されています。
そんなデータを使った分析を行う学問が統計学です。

統計解析入門

統計で扱う公式などを簡潔にまとめた一冊です。
既に統計を学んだ人が辞書的に使うことに適していると思います。

時系列解析入門

株価など、数値を時間で並べたデータが時系列データです。
この時系列データを見た時に、思うことは、
「何かの傾向がありそうだ、傾向を見つければ将来が予測できるのではないか」です。

時系列解析は、傾向の分析や、予測を主に扱います。
その際に、重要な考え方は、
データに対して、モデルを当てはめてみるということです。

この考え方は、他の統計学や、データを扱う上で重要となり、
その訓練にも役立つことでしょう。

現代時系列解析

こちらの時系列解析の教科書ですが、
上の本と比べるとページ数も多く、
より深く踏み込んだ一冊となっています。

じっくりと、吟味しながら読みたい人にオススメの一冊です。

ベイジアンネットワーク

ベイジアンネットワークは、
複数の変数同士の関係を矢印で表したものです。

ある特定の情報を得た時、それらの関係性から別の情報を推定できますが、
ベイジアンネットワーク上では、矢印に沿って情報を更新していくことで、
この推定が行われます。

関係が複雑になるほど、推定の流れは分かりづらくなりますが、
図で表現されていることで、流れを追いやすくなるのがメリットです。

ベイジアンネットワークの統計的推論の数理

こちらは、さらにベイジアンネットワークの深みを学べる一冊です。
特に、ベイジアンネットワーク上での推定方法である
確率伝播法が何を意味しているかを、
多角的な視点から見直すことができます。

ベイズ統計の理論と方法

通常の統計では、真っ白の状態からデータを取りますが、
ベイズ統計では、データを取る前に知っている情報を盛り込んで推定ができます。

このように考えるとベイズ統計の方が、より一般的な理論を与えてくれるので、
機械学習など様々な応用の土台となっています。

もちろん、理論が一般的ということは、
数学的にもより興味深い対象であるということでもあり、
その面白みを感じさせてくれる一冊です。

まとめ

いざ振り返ってみると、かなり古い本もあり、
絶版してるかしてないかというものが多くありました。
教科書の寿命って結構短いんですね。

まだまだ紹介できていない本がたくさんあるので、
随時追加していきます。

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