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時間の秒は何故 second(2番目)なのか

英語で「秒」は "second" ですが、
これは、順位の「2番目」を表す"second"と同じです。

時間(hour)、分(minute)、秒(second)
の順番に考えるとむしろ3番目に来るのが秒なので、
「2番目」と「秒」に関連は無さそうに思えますよね。

実は、「秒」が"second"と呼ばれるのには、
60進数による小数表示に由来します。

以降で詳しく見ていきましょう。

60進数

私たちが普段使い慣れている10進数は、
十まで数えると桁上がりします。

60進数とは、60まで数えて一つ桁が上がる数です。

例えば、
1, 20 のように書けば、
60の位が1で、
1の位が20であることを表し、
この数字は10進数で言うところの「80」に当たります。

今では日頃用いる数字は、
10進数が標準的になっていますが、
60進数を用いて計算を行われていた時代もありました。

60進数の小数

日頃使い慣れた10進数の小数は、
小数点以下に10分の一の位、
100分の一の位と並べて表記します。

60進数の場合も同じように、
60分の一の位、
360分の一の位を順番に並べます。

例えば、下の図のように、
5. 12 57 を並べたものは、
 5 + \frac{12}{60} + \frac{57}{60}
を表します。

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60進数の小数

小数の呼び方

英語の語源の一つであるラテン語では、
小数点以下の数字は次のように呼ばれていました。

  • 小数点以下第一位: pars minuta prima
  • 小数点以下第二位: pars minuta secunda

"pars"は「部分」、
"minuta"は「微小の」、
"prima"は「1番目」、
"secunda"は「2番目」をそれぞれ表ています。

分=minute の由来

時間(hour)をより細かく表すために、
60進数の小数を使って、
5. 12 57 と表したとします。

小数点以下第一位(pars minuta prima)は、
12で、これは12分を表しています。

この"minuta"が英語の"minute"となりました。

秒=second の由来

上の例で、小数点以下第二位(pars minuta secunda)は、
57で、57秒を表しています。

この"secunda"が英語の"second"となり、
「秒」も「2番目」も"second"で表されるようになりました。

まとめ

時間の秒を表す"second"の語源について紹介しました。

一見関連性のない「2番目」と「秒」ですが、
60進数で時間を表現した時の「2番目の小数」が「秒」であることから、
「秒」は"second"で表すのですね。

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