クイックノート

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「シンクラ」(シンクライアント)って何?

ITにほぼ無縁の私の妻が、
「職場のシンクラが~」と言ってたのを聞いて、
「え、シンクラ知ってるの?」 と聞くと、
「うん、シンクラでしょ?職場にあるよ?」というので、
シンクラが導入されていることと、
妻からシンクラの言葉が出てくることのダブルで驚きがありました。

よくよく話を聞いてみると、
「シンクラ」という言葉は知っていて、
実際、シンクラが導入されていて、
端末の呼び名として「シンクラ」という言葉が職場で使われていることと、
「シンクラ」が何を意味しているかはよく分からないけど、
みんな「シンクラ」と呼んでるからその端末のことを「シンクラ」と呼んでいるという話でした。

なるほど、「シンクラ」の中身は知らなくても、
基本的には普通のコンピューターとして使えますし、
端末の名前が「シンクラ」で、
その言葉自体が専門用語だとは思わないのですね。

ですが、「シンクラ」はちゃんと意味のある専門用語で、
Mac」や「Vaio」などの単なる機種の名前ではないのです。

ということで、そんな人でも分かるように、
「シンクラ」とは何なのかを説明してみましょう。

まずはモニターとコンピューターの違い

シンクラの説明の前に、
モニターとコンピューターの違いを理解しておくと分かりやすいかもしれません。

典型的なパソコンのイメージで言うと、
下の画像のように、映像が表示される箱「モニター」と、
その横におかれた箱「本体」があります。

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コンピューターに詳しくない人は、
どうしても、モニターを本体と錯覚しがちで、
本体の方は、謎の箱、電源装置、周辺機器接続器のように思いがちです。

ですが、パソコンを操作する時に、 裏で様々な処理をしているのは、本体の方です。

モニターはあくまで映像を映し出しているだけで、
しかもその映像も、本体が、このように映し出してくれと指示して、
その通りに映しているだけに過ぎません。

実際、モニターと本体の値段を比べれば、
モニターは1万~2万円のものが多く、
本体の方は、かなり値段の幅がありますが、
数倍から十数倍くらいするのがほとんどです。

このように、私たちがパソコンを使う時には、
映像を表示するだけのモニターを通して、
裏で様々な処理をするコンピューター本体を操作しているのです。

シンクラとは

シンクラとは、「シンクライアント」の略語で、
元は、Thin client という英語のカタカナ表記です。

意味は、その名前が指すように、
薄い(Thin)クライアント(Client)、
つまり、ユーザーが操作するクライアント端末をペラペラに軽量化したものとなります。

パソコンでは、コンピューター本体が裏で主な処理をして、
モニターは映像を映すだけであったように、
計算能力の高いサーバーが裏で処理を行い、
ユーザーが直接操作するのは、
そのサーバーと通信をする軽量な端末という構成です。

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上の図では、真ん中のサーバーが主な処理をし、
それに繋がったコンピュータは、
サーバーとの通信と、ユーザーによる操作を受け付けるだけとなります。

ユーザーが操作するコンピューターは、
自分で処理する必要はなく、
サーバーとの通信機能と、
モニターなどを通してユーザーの操作を受け付けるだけで良いので、
軽量かすることができます。

ただし、裏で動くサーバーは、複数台の端末の処理を肩代わりすることになるので、
十分な計算能力が必要となります。

メリットとデメリット

シンクラの意味は上で述べたように、
「能力の高い裏方のサーバーと、ユーザーが操作する軽量な端末」で、
職場のコンピュータを構成することでした。

では、このメリットとデメリットは何でしょうか。

メリット

台数を増やしやすい

新人さんにパソコンを割り当てないといけないとなったとき、
パソコンを新たに購入するとそこそこのコストがかかります。

シンクライアントが導入されていれば、
新しいパソコンを割り当てる際には、
最低限の機能を持った安価な端末を追加するだけで済むので、
コストが低く、台数を増やしやすいということになります。

利用効率が高い

シンクライアントの「本体」は1台のサーバーです。

これを、複数の人で共有して操作するという形になります。

通常、パソコンを一人一人に割り当てると、
全員が全員、割り当てられたパソコンをフルで稼働させることはないので、
処理能力の無駄が生じます。

一方で、シンクライアントでは、一台の計算能力を共有する形になるので、
あまり処理能力を使わない人の分を、別の人に回すなど、
融通を利かせることができます。

機器やデータの管理が簡単

シンクライアントでは、いわゆる「本体」はサーバー一つです。

データーもサーバーにまとめて保存されますし、
機械自体もサーバー一つです。

そのため、データの保護や、
機器のメンテナンスは基本的に1台のサーバーに対して行えばよく、
複数台のパソコンを導入して、その全てを管理するよりも簡単になります。

デメリット

サーバー故障が致命的

本体がサーバーになるので、サーバー一つが故障すれば、
全ての端末に影響が及びます。

他の端末の操作状況に応じてパフォーマンスが変化する

サーバーを複数の端末で共有しているので、
他の端末が多く処理能力を使っていれば、
それだけ、パフォーマンスが落ちてしまいます。

まとめ

妻の口から出た「シンクラ」という用語について、まとめました。

妻にはちゃんとした意味を説明しましたが、
伝わったかどうかは不明です。。。

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