量を減らす実質値上げを可視化
買い物をしていると、
この商品ってこんなに小さかったっけ、
と思うことがありますよね。
消費者は値段の動きには敏感ですが、
量の変化、つまり、単位量あたりの値段の変化には、
少し鈍感だったりします。
そのため、メーカーは、
値上げよりも同じ値段で量を減らすことで、
実質的な値上げを計ることがあります。
このような現象にはシュリンクフレーションという名前がついており、
珍しい現象という訳ではありません。
とはいえ、消費者が気づきにくいことを狙って、
量を減らすのはフェアではないような気もします。
ここでは、シュリンクフレーションを可視化して、
実際にどれだけ量が減ってきているのかを見てみることにします。
方法
シュリンクフレーションの情報を共有する
「いつの間にか容量が減っている商品wiki」のデータを元に、
商品の容量や単位容量あたりの値段がどのように推移してきたかを可視化します。
容量の変更が多い商品
まずは、容量の変更が多い商品に注目してみます。
下のグラフは、横軸に年度、
縦軸に商品の容量を示したものです。
様々な商品の容量が減っている様子がわかります。
個人的には、ペットボトルといえば500mlのイメージが強いのですが、
「なっちゃん」のように、400mlに近づいている商品もあるのですね。
上のグラフの中で、「ドロリッチ」は特殊で、
一旦容量が回復した年があります。
ただ、その後には販売終了となってしまったようです。
容量の変更が大きい商品
次は、容量が変化が大きい商品に注目してみます。
変化の大きさは初期の量と最近の量の比で測ることにします。
「パイの実」シェアパックの容量の減り方がえげつないですね。
昔が多すぎたというものもあるかもしれませんが、
半分くらいにまで減っています。
急激に容量が変化した商品
容量が減るといっても、
何年もかけて減るものもあれば、
短い時間に急に減るものもあります。
そこで、1年当たりの容量変化が大きい商品に注目してみましょう。
「セブンイレブン」の商品が多いのが目を引きますね。
確かに「セブンイレブン」では、
商品の容量が減っていることがよく話題になっていますが、
これは、短期間に急激に容量を減らすので、
それに気づく消費者も多いということが反映されていそうです。
単価の変化が大きい商品
上では容量のみの変化をみましたが、
実際には価格もセットで動くことがあります。
そのため、実質的に値上げが起こったかどうかは、
単位量辺りの価格、つまり、単価をみる必要があります。
下のグラフは単価の変化が大きい商品を抜き出して、
単価の変化を示したものです。
容量の変化が大きかった
「パイの実」や「森永 牛乳プリン」、「三島の青のり」などは、
やはり実質的な値上げも大きいようです。
単価が急激に変化した商品
次に1年当たりの実質的な値上げ幅が大きく、
急激に値上げが起こった商品に注目します。
これも急激な容量の変化があった商品と被るものが多く、
容量を減らすことが実質的な値上げに繋がっている様子が見えます。
まとめ
本来なら気づかれないことが期待されている
シュリンクフレーションを可視化してみました。
気づかない間に身近な商品が、
実質的に値上げされていることが良くわかります。
中には、量を戻した直後に販売終了になった商品もあり、
販売終了するくらいなら、
量を減らしてでも売り続けてもらえた方が、
消費者的には嬉しい商品もあるでしょうね。