クイックノート

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Rstudio Serverを使うメリット

Rでプログラミングを行うとき、
便利な統合開発環境を提供してくれるのがRstudioです。

Rstudioではグラフの描画とコーディングを同じウィンドウ内で完結でき、
コード打ちと結果の確認がシームレスに行えて非常に捗ります。

そんなRstudioをサーバーサイドで動作させるのが、
Rstudio Serverです。

つまり、サーバーでRstudioをホスティングして、
サーバーにアクセスしたクライアントに
Rstudioの利用を提供することができます。

どういうメリットがあるのでしょうか。

メリット

計算端末と操作端末の分離

一つの大きなメリットは計算を行う計算機と、
計算を操作する端末を分離できることです。

計算を行うからには、計算能力が高い計算機が望ましいのですが、
そのような計算機は大型になりがちです。
そのような大型の計算機は持ち運ぶことが困難でしょう。

一方で、ノートパソコンやスマホなどのモバイル端末では、
持ち運びには便利で、どこでも触ることができますが、
計算能力が若干劣ります。

Rstudio Serverを導入すれば、
Rのスクリプトの処理やグラフ描画を計算能力の高い計算機で動かし、
モバイル端末からアクセスしてRstudio Serverを操作することができます。

処理の重い計算と、コード編集などの単なる操作を分離し、
それぞれを、サーバーとモバイル端末に振り分けることで、
適材適所な運用ができるのです。

プログラミング環境の再利用

プログラミングでの面倒ごとの一つは初期環境構築です。
プログラミングの処理系を導入するだけではなく、
よく利用するパッケージなどもまとめてインストールする必要があります。

PCを買い替えたりすると、毎回、この環境構築を行うのが、
とても煩わしく思うことがあります。

買い替えの頻度を考えると持ち運ぶモバイル端末の方が、
据え置きの計算機よりも頻繁に変えることが多いと考えられます。

そのため、据え置きの計算機にのみ環境を用意し、
モバイル端末ではRstudio Serverを通してRを操作するようにすれば、
モバイル端末を買い替えたとしても、常に同じ環境を利用することができます。

リモートデスクトップよりサクサクなリモートGUI

リモートで計算機を操作する方法としてリモートデスクトップがあり、
リモートデスクトップで接続して、リモート上で普通のRstudioを起動して
操作するという方法でも上のような環境は得られそうです。

ところが、この場合、操作がカクついてイラつくことになるでしょう。

リモートデスクトップでは、常にリモートで描画された映像を受信しつつ、
ローカルでのマウス操作やキー入力をリモートに送信します。
通信にはどうしてもラグがあるので、マウスの動きが遅れて見えたり、
入力した文字が遅れて表示されたりすることが避けられません。

一方、Rstudio Serverはブラウザからアクセスし操作します。
クライアントでは、ローカルのブラウザに表示された画面上で、
スクリプトの編集やコードの実行指示、結果の確認を行います。
そのためキー入力やマウス操作などはローカルで完結しており、
リモートデスクトップとは比べ物にならないほど快適な動作を行います。

導入方法

導入方法については公式の手順に従うことがベストでしょう。
途中でバージョンを指定したコマンドを実行するので、
最新版を取得するためにも公式で確認すべきです。

以下ではUbuntuでのインストール手順を示します。

1. R のインストール

Rの処理系をインストールします。

sudo apt-get install r-base 

2. Rstudioのダウンロードとインストール

Rstudioはdebファイルをダウンロードして、
gdebiでインストールします。

sudo apt-get install gdebi-core
wget https://download2.rstudio.org/server/trusty/amd64/rstudio-server-[バージョン]-amd64.deb

[バージョン]Rstudioのサイトで確認の上指定します。

利用方法

Rstudio Serverはポート8787でアクセスを受け付けます。

そのため、クライアントのブラウザのアドレスバーに

http://[IPアドレス]:8787

を入力してアクセスしましょう。

[IPアドレス]はRstudioを導入したサーバーのIPアドレスです。

まとめ

Rstudioをサーバーサイドで動作させる
Rstudio Serverのメリットとその利用方法を紹介しました。

Rstudioサーバーでは簡易なファイラーも用意されているため、
ちょっとしたファイル操作であればリモートデスクトップをつなぐよりも、
ストレスなく利用できるので、Rを使う以外にも便利な使い方ができます。

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