論文というと、堅い印象を受けますが、
世の中には、ユーモアに満ちた論文もあります。
真面目に不真面目をするというギャップの面白さを共有するため、
この記事では、面白い(funny)論文をまとめていきます。
"カレーとラーメンの二重性について"
これは、量子が波であると同時に粒子であるという、
不思議な性質「二重性」を身近なものに例えてみようという趣旨の論文です。
論文としての体裁で書かれていますが、
「虚偽情報処理学会論文誌」という名前の通り、
架空の学術雑誌のものとなっています。
"なぜ私たちはいつも締め切りに追われるのか"
こちらは、締め切りに追われるという原因を、
数理モデル化して説明するという論文です。
論文の中では独自のアイデアである、
「ネルー値」と呼ばれる数値が導入されていて、
「n日寝てしまっても締め切り等に影響がない状態」を、
nネルーとして定義されています。
このネルーが締め切りに対するゆとりを表していて、
いかに仕事をこなせば、ゆとりをもって仕事ができるかを論じています。
この論文は、「人工知能学会論文誌」という実在の論文誌名が記されていますが、
この「人工知能学会論文誌」にこの論文は掲載されていません。
「21巻1号a」とナンバリングされていますが、
「人工知能学会論文誌」では、大文字の英数字でAからナンバリングされます。
そのため、ジョーク論文だと分かるのですが、
かなり真面目に内容が書かれているので、
一見、普通の論文と見間違う人もいるでしょう。
さらに、著者がニュースでも見かけることのある著名な先生なので、
このギャップがたまらないですね。
"Get me off Your F****** Mailing List"
※Fワード伏字
直訳すると「お前のメーリングリストから私をはずせ」をもっと乱暴に言った感じですね。
メーリングリストとは、特定のグループにメールを送る時に使うアドレスで、
メーリングリストに登録されている人全員にメールが届くというものですね。
この場合のメーリングリストは学会への参加を募るためのメーリングリストで、
過去の参加者に限らず、関連のありそうな研究者に、
手当たり次第メールを送っている学会も少なくありません。
論文の著者は、そんな学会に対する抗議の文章を、
論文として書いて投稿したというのが、この論文です。
中身は、ただただタイトルと同じ文が繰り返されているだけですが、
図やグラフの中にもこの文を埋め込んでいる当たりにユーモアのセンスを感じます。
投稿された論文ですが、
著者のサイトで、
"We never received official notification of whether the paper was accepted or rejected. "
「論文が受理されたか否かの公式な通知は得られなかった」
としていることから、この論文がどこかに掲載されているわけではありません。
ところが、同じ論文を別の人が別の学術雑誌に投稿したところ、
あろうことか、論文が受理されてしまうという問題も起こっており、
色々とおかしな論文です。