クイックノート

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補色のスペクトル的な意味

補色とは、
色相環の反対側にある色」、
「混ぜると無彩色になる色」
などの特徴で説明されることが多いのですが、
その物理的な性質はどのようなものでしょうか。

ここでは、補色の物理的な意味を、
光のスペクトルとの関係から紐解いていきましょう。

色と光

私たちの眼は光の刺激を受け取ることで、
目の前の風景をイメージとして認識します。

光は波の性質を持っていて、
様々な波長の光がありますが、
私たちは、その波長の違いを色として認識しています。

例えば、りんごが赤色に見えるのは、
様々な波長の光が含まれた光源の光が、
りんごの表面で吸収されて、
吸収されずに残った赤い光が反射されて目に届くことで、
私たちが赤色を認識しているからです。

色が見える仕組み

重要なのは、ここで赤は吸収されずに反射された色で、
それ以外はりんごが吸収しているということです。

絵の具を混ぜる(減法混色)

補色の代表的な性質として、
「混ぜると無彩色になる」というものがあります。
言い換えると、色が消える、モノクロになるということです。

色を混ぜる時には何が起こっているのでしょうか。
赤の絵の具は先ほどのリンゴと同じように、
赤色以外の光を吸収してしまう物質です。
また、緑の絵の具は、緑色以外の光を吸収してしまう物質です。
これらを混ぜると、赤の絵の具は赤以外の光を、
緑の絵の具は緑以外の光を吸収し、
吸収されずに残った光が目に見えることいなります。

補色の混色

実は、赤と緑は補色の関係にあり、
ほぼ全ての波長が赤か緑の絵の具に吸収されて
目に見えるのは黒っぽい色になります。

このように、絵の具の色を混ぜるという操作は、
それぞれの絵の具が色を吸収しあって、
吸収されなかった色の光が目に届くようになることを表します。

絵の具を混ぜるほど、吸収される光の波長が増えていき、
反射される光が減るので、どんどん暗い色になります。
このように混ぜると色が引き算されていくので、
減法混色とも呼ばれます。

補色のスペクトル

それでは、
この補色はスペクトル的にはどういう色だと言えるでしょうか。

2つの色を混ぜた時に、色がなくなるには、
他の色が吸収しきれなかった光を、
別の色が吸収すれば良いことに気がつきます。

すると、混ぜて無彩色になる色、つまり補色は、
反射される色と吸収される色を丁度反対にした色と言えます。

下の図では、それぞれの色について、
波長に分解した時の波長の強さをグラフで表現したイメージ図です。

補色のスペクトルのイメージ

赤の補色である緑は、
赤で反射される波長の光が吸収されるので、
丁度、グラフを上下逆さまにしたようになります。
これが補色のスペクトルです。

ここで、次のような疑問を持たれるかもしれません。
「緑色は、緑色の波長にピークがくる山のようなグラフで表せるのに、
 上の図では赤色以外の青や紫など、
 緑とは違う色も沢山含んだ色になっている。
 これって本当に緑色なの?」

実は人間の目には、違うスペクトルでも同じ色に見えるという
条件等色と呼ばれる現象が生じます。
このため、緑にピークのあるスペクトルも、
上の図のようなスペクトルも緑なのです。
特に、空の青には紫色の光も多く含まれていますが、
この条件等色によって青色に見えています。

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補色の生成

補色はスペクトルを上下反転したものであると説明しました。
そこで、実際にスペクトルを反転して補色を作ってみましょう。

コードはRで記述しています。

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